【体験談】南米在住者が南米の治安について語る:コロンビア共和国

南米コロンビアの治安③:バスの車内で刃物を使って喧嘩
首都ボコタで初めて一人で公共機関のバスに乗ったときのこと。
それまではコロンビア人の友だちが必ず付き添ってくれていたのですが、その日は待ち合わせ場所まで一人で行動することにしました。
乗車して10分ほどしたところで、後部座席で悲鳴が。
何かと思って驚いて振り返ると、二人の男性が刃物を手にして立ち上がっています。
マズイ、どうしよう!!!!
一瞬、
ハイジャックなのか?!
盗難なのか?!
という思考が脳裏をかすめましたが、感覚的に二人が喧嘩をしているようだという状況が掴めました。
と同時に、逃げ道を探す私。
無理やりバスの入り口のドアから逃げるしかない。
バスがスピードを緩めた瞬間に、
入り口の柵を飛び越え、
後ろを振り返ることもなく無我夢中で走って逃げました。
(当時のボコタのバスには入り口に低めの回転式の柵があり、料金を払った人だけが柵の向こう側の車内座席に進めるようになっていました。ドアは大抵開けっ放し。)
私以外にも数人の男女が走っていた記憶があります。
いろんな場所をバックパッカーとして旅をして来ましたが、この時は本気で命の危険を覚えた瞬間でした…
南米コロンビアの治安④:薬物中毒者
大都市であれば、薬物中毒者が至るところにいる区域が必ずあります。
危険を感じる、というのもありますが、何より相手の顔を見ると背筋がぞっとします。
勿論、目の焦点は合っていないのですが…
大麻薬王パブロ・エスコバルをはじめ、コロンビアの薬物事情を扱った映画は世界的に多く出回っています。
日本をはじめとする、先進国での生活のみを知る方たちからしたら、信じられないような光景が沢山描写されていますよね。
各映画やドラマの監督の出身地にもよりますが、大抵の麻薬中毒者やスラム街の描写は現実にかなり近いとコロンビア人に聞いています。
間違っても興味本位で近づくことがないように。
一度入ったら出ることはほぼ不可能と聞いています。
南米の治安⑤:悪名な手口で携帯電話を盗難
これは普段ベビーシッターとして手伝ってくれていたコロンビア人女性の身に起きたことです。
休日のある夕方。
2人の我が子たちを連れて近所の公園に出かけ、彼女はベンチに座って携帯電話でゲームをしていました。
そこへ顔見知りの若い男性が現れます。
話しかけに来たと思ったら、次の瞬間、何かの薬品をかがせられたようです。
あまりに一瞬の出来事で、彼女も記憶が定かでないと言っていましたが、どうもその薬品は人を操り人形のようにしてしまうとのこと。
「携帯ちょうだい」と若い男性に言われ、彼女は言われるがままに携帯を手渡してしました。
携帯電話はコロンビアでも広く普及しており、5割以上はスマートフォンです。
とは言え、多くのスマートフォンは、国の設ける最低月収同等、または最低月収以上の価格です。
つまりコロンビア人にとってスマートフォンは高価な品であり、国民は12回分割払いなどで、やっとの思いでスマートフォンを支払うのが一般的です。(注:富裕層ではなく、あくまで一般国民の場合)
電話を盗まれた翌日に私の家に来て、事件内容を淡々と話してくれました。
警察は全く協力してくれないし、旦那にはこっぴどく叱られたようです。
が、しめくくりの最後の言葉を聞いて、私は茫然としてしまいました:
「どうやって逆襲しようか案を練っている」と…
いやぁ、確かにそれくらいたくましくないと生きて行けない場所ですね、本当に。