子供が勉強しなくてイライラする!お金の話をして即時解決しましょう②

前回の記事で「お金の話をするのは本当に卑しいことなのか」というテーマについて考えて頂きました。
「我が子とお金の話をするのは悪いことではない」というマインドセットに切り替わったところで、早速今日は具体的な会話内容を見ていきましょう。
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現代の子は底抜けに現実的
今の4・5歳の子供がスマートフォンやタブレットを使っているのをご覧になったことはありますか。
はじめて見るゲームでも、ほぼ一人でスイスイと進めて勝手に楽しんでしまいます。
小学生の我が子に工作キットを買って来たことはありますか。
つまずいた箇所の説明書きを読んであげている間に、子どもがいつの間にか自分で問題を解決していて先に進んでいた、という経験はないでしょうか。
今の子供たちに接したことがある大人なら、恐らく誰しもが「今の子たちの脳は違う」と感じた瞬間があると思います。
それは、私たちの世代ではパソコンを使う作業が当たり前であるのに対し、両親の世代ではソフトウェアひとつインストールをするのにも結構緊張していたりするのと同じ話です。
時代と共にものの「やり方」や「手段」は変わり、それに伴って、その時代に生まれた子供の脳の動き方も変化していくのは、理にかなっていますよね。
現在の高度情報化社会に生まれた子供たちは、大変に現実的です。
遠回りなんてしません。
「だって、こっちのほうが近道じゃん?」
「買ってでも苦労をしろ」というのが通用しない世代だと思います。
それに対して良いだ悪いだを判断する必要は一切なく、その現実的なところをいかに生かすか、だと私は思うのです。
現実的な人には現実的な表現を使うのが一番です。
ということで、どのようなアプローチで今の子供たちに勉強をする気にさせるか。
以下、見ていきましょう。
現実的な子供たちには、現実的な手法を
さて、これから我が子を勉強する気にさせる重要な会話を交わす訳ですが、話を聞いてもらいたければ、聞いてもらえる雰囲気を作らないといけませんね。
という訳で、お茶菓子とジュース、紙とペン、携帯電話かパソコンを用意して、我が子を「おしゃべり」にお誘いしましょう。
母「いきなりだけどさぁ、お父さんとお母さんの年収が幾らくらいか知ってる?」
子「……」
母「勘で良いからさ、勘で。」
子「………… 〇〇円くらい?」
ここで、勘で年収をばっちり当てることができるお子さまなら、恐らく将来の心配は不要です。
勉強をしなくても、世の中に関して意識が高い子供だということで、無理に勉強させるのは諦めましょう。
全く桁違いな金額を提示して来た場合は、コンビニエンスストアでアルバイトする場合の年収を一緒に計算してみます。
時給900円 × 8時間/日 × 6日/週 = 43,200円
43,200円/週 × 52週/年 = 2,073,600円
母「コンビニバイトが年収200万円くらい、ってことだとすると、お父さんと私の場合はどうだと思う?」
それでも大抵が、かなり的外れな金額を提示して来ます。
今までお金の話は殆どしたことがないのですから、当たり前ですね。
母「お父さんの年収が〇〇で、お母の年収が〇〇で、合計〇〇円くらいね。
で、どのくらいの支出があるか知ってる?」
子「……」
ここで、大雑把に教育費や生活費を計算し、収入と支出を具体的な数値で見せてあげます。
これが我が家の現状ですよ、と。
エクセルのスプレッドシートを使用してみれば「かぁさんが本気だ!」と更にインパクトがあるかもしれません。
黒字なのか赤字なのか、はどうでも良いです。
額が何にせよ、この時点で子供は若干、茫然とするでしょう。
というのも、子供自身が扱ったことのある額は最高でも、せいぜい数万円程度ですよね?
「私たちの属する天の川銀河には星が2000億個ほど存在する」と言われも、2000億が一体どれだけの数なのか把握し難いのと同じ話です。
具体的な数値を使うことで、ひたすら現実味を出すことが目的なので、数値を完全に理解してくれなくても全く問題はありません。
ただし、大きなお金の出入りの「感覚」を掴んでもらうのは重要です。
そのために、子供自身が当たり前だと思って暮らしている日々の生活レベルを引き合いに出し、幾らくらいの金額の収入がどのくらいの生活レベルを産むのかを把握してもらいます。
そして、「あなたが大人になったら、どういう生活がしたいのかしらねぇ」と軽い感じで問いかけをし、席を一旦離れます。
ここで、子供の回答を待たないでください。
正解が欲しい訳ではありません。
将来を想像をして欲しいのです。
「将来何になりたい?」という質問とは全く異なります。
現実的な現代の子には不要な質問だと私は思っています。(年齢の低い子は別です。)
どういった生活がしたいか、です。
想像する空間をあげるために、トイレにでも行ってリフレッシュしましょう。
戻って来たところで(くどいようですが、お子さまにどんな生活を描いたかなど、質問はしないように)、今度は検索エンジンを使って「出身大学別年収ランキング」を見せます。便利なランキングが世の中にはあるものです。
もうお分かりですよね。
興味があれば、偏差値と照らし合わせるのも良し。
大学進学でなくて、高校進学の話をしているのであれば、希望する年収の出身大学に行くためには、どんな高校に進学する必要があるかを調べれば良い訳です。
金額や偏差値の数値を使い、話を具体化することで、子供たちに「勉強をすると何が先に待っているのか」をはっきりと見せることが狙いです。
勉強するのはお金のため?
勉強をするのは勿論お金のためだけではありません。
私も大学を卒業するまで、相当本に埋もれた生活をしましたが、今の自分自身に数々の生き方の選択肢があるのは、この過去のお蔭だとはっきりと認識をしています。
この手法はあくまで子供に勉強をするきっかけを作るためのものです。
一度「勉強することが当たり前」の環境ができれば、子供は勉強をし続けます。
成績が目に見えて良くなって行くのが面白くなりますから。
滑り台で踊り場に座って動かないでいた子は、背中を少し押せば、否応なしに下に滑らざるを得ません。
同じ原理で、お金の話題をきっかけに背中を押してあげれば、後は勝手に前進して行きます。
「お片付けをちゃんとしたらご褒美に飴をあげるわよ」と幼児を片づけに誘導し、はじめは飴を目当てに片づけをしていた子どもも、そのうち飴なしで片づけができるようになるのと同じからくりです。
「お金のために勉強してるなんて思わせたくない!」という考えが解消されましたでしょうか。
そして勉強をすることの価値は、その過程で必ず本人が見出すものです。
人から教わるものではありません。
厳しいことを言いますが、口うるさく「勉強の大切さが分からないの!」と言う親は、大抵、ご自身が本気で勉強をしたことがない方です。
ちなみに私自身は、大学別のランキングほどくだらないものはないと思っていますが、こういった順位付けほど若者に目標を設定させるのに分かりやすいツールはない、とも思っています。
すべて、目的はあくまで勉強をする癖をつけること、というのを忘れないでください。
「うちの子、ランキングを見た瞬間に、もうすでにあきらめているんですが…」という場合の対応策は、次回の記事で取り上げたいと思います。お楽しみに♪